およそ学問的とは言い難い、井戸端会議のおしゃべりレベルの講義が人気の王子先生の愛弟子、青年清君と、古希を迎えた老人、私のコンビが、二人でゼミのテーマをまとめようとします。
先生の話題は漱石や荷風の小説談義から、古代史、邪馬台国など歴史の謎解きを絡めた話など、とりとめの無い知識のごった煮で、特に小説の話は、中高生が作家を好きだ嫌いだのと騒ぐレベルと大差ない 。ただし、私が興味を持っている古代史に関してだけは、玉石混交だが、時に深く考えさせられることもあります。
レポート提出だけは厳しく要求されるが、そのテーマをまとめようとすると、マイナーでマニアックな東京散歩をしているような感じになる。今回は清君と二人、吉祥寺の井の頭池からスタートして善福寺池、三宝寺池を巡り、石神井川沿いに、上野、芝までテーマの取材を兼ねた東京散歩の道中記です。
三宝寺池のおでん屋で、清君から日本古代史、特に邪馬台国に関する王子先生説を延々と解説され、大いに魅了されてしまう。途中から参加した、三宝寺池の照姫伝説に嵌っている彼の妹も交えた旅は、ゼミテーマの取材という目的からだんだん外れていってしまう。
私は、半ば暇つぶしにゼミに出席しているだけなのだが、道案内の清君に引きずられて、知らず知らず先生に染まっていき、いつの間にか、精霊がうしはける太陽の都へと迷い込んでしまいます。

太平洋戦争中、東京に生まれ、すぐに疎開。戦後もしばらく疎開先で過ごし、小学校入学前に東京に戻る。
小中学校時代、昭和20年代の東京の姿が、目に焼きつき、心に刻まれて今日に到る。
当時、滑り止め受験で有名だった某大学経済学部に8年間在籍の後、除籍。
アルバイトを続けながら国立図書館に通い、歴史分野など趣味の研究に没頭。
30過ぎから営業職に就き、20年間程続け、その後広告代理店を開業して20年近く経ち、現状はほぼ開店休業状態。
ながらく埼玉県の川越に住んでいたが最近、小川町に引越し、妻と二人、隠棲生活を送っている。
 
徘徊好きな作家の、ブログ日記風随筆「白髪半畳記」

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